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PONOブログ

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イメージ

   2019年10月21日

 

私たちが何かと関わり合うとき、その間にはイメージが介在します。

重いものを持ち上げようとするとき、それに応じて力が入ります。

柔らかいものに触れようとするとき、それに応じて優しく近付きます。

対象へ抱いているイメージに合わせて、無意識に身体の使い方を対応させています。

イメージの働きが足りていないと、発揮する力に過不足が生じて、身体を傷める原因になります。

反対に、イメージ力を高めることによって、それに合わせて身体をコントロールしたり、周りに反映させることも出来ます。

重いものを持ったときもしなやかに、硬いものを持ったときも柔らかく動けると、身体を固めずに動作を行えます。

取り組んでいる物事に対して明るいイメージを持っているほうが、良い結果が起こりやすいということもあります。

人に対しても、物に対しても、どういったイメージをもって関わっていくかというのは、とても大切ですね。


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隙間

   2019年10月17日

 

何か運動をするとき、動作をしているという実感を求めてしまうことがあります。

筋力トレーニングすると特定の筋肉に疲労が溜まり、ストレッチをすると特定の筋肉が伸びている感覚があります。

それは、全体のバランスという観点から見ると、偏りが生じたという捉え方も出来ます。

骨と骨の間にも、骨と筋の間にも、筋と筋の間にも、筋と皮膚の間にも隙間があります。

繋がって動けたときには、力がどこにもぶつからずに隙間を通り抜け、身体はバランスを変えていきます。

合気の稽古でも、拍子抜けするくらい楽に相手を転ばせられる時があります。

実感があるということは、そこで力が滞っているということでもあります。

日常の動作でいかに実感を減らし、感覚を高めていくかを課題にしています。


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身体の内と外 その2

   2019年10月05日

 

施術で、そうした深部の動きを感じる方もおられれば、感じられない方もおられます。
自覚があるかどうかに関わらず、入力された感覚は脳に伝わり、身体の可能性を内側から広げてくれます。
深部の動きが充実すると、表層の筋を緊張させる必要が無くなり、身体の自由度が増します。
呼吸の深さや脈のペースも変わり、内臓の働きが高まります。
視覚や聴覚といった感覚の変化に気付かれる方もおられます。

深部の動きは、とても控え目で繊細です。
余計な力や意図が働いた途端に、関係性が途切れて、姿が見えなくなります。
合気の鍛錬は、身体に自然に備わった動きを自在にコントロール出来るようにするところにあるのだと考えます。
表層の動きで対抗し合うと単なる力比べになりますが、自分の深部の動きに沿うことで、相手を内側から動かしてバランスを崩します。
相手の掴み手に合わせて力を抜いていく過程を、深部の動きと一致させます。
その際、相手との間の遊びを無くして、一体としておく必要があります。
呼吸で身体を前後左右に広げ、右回り左回りの伝わりを確認します。
平面的な空間に螺旋が加わることで、立体になります。
動きの方向や速度は、丹田によって調節します。
押すばかり、引くばかりの一方通行では、動きが止まって固まります。
深部の動きが妨げられることなく伝わり、全身の中で押す動きと引く動きが並行して行われることで、バランスを変え続けることが出来ます。

現代の生活は、新しい脳で処理する仕事や、表層の動きで済ませる用事が大部分を占めます。
けれども、生命の根幹から離れては、身体を診ることは出来ないのではないかと思います。
これからも深部で起きている現象に目を向け、お客様の健康に役立てていきたいと考えています。



寒天好きの隠し通路
成長快調
私が妻の出産に立ち会ったときに書いた記事です。
観点を変えてみたい方はどうぞ。


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身体の内と外 その1

   2019年10月03日

 

重い物を持つとき、腕に力を込めて持ち上げようとします。
バランスが崩れそうになったとき、身体を緊張させて元の位置に留めようとします。
私達はいつの間にか、筋力を込めた方が強い、固めた方が安定する、といった身体の使い方が染み付いています。
合気の稽古で相手に技を掛ける中で、力が抜けた状態の強さを学びます。
脱力しているからこそ、全身が協調して働き、自在にバランスを変えることが出来ます。
合気の上達は、気付かない内に身に付けてきた様々な思い込みからの脱却でもあると思います。

お客様の身体に触れさせて頂くと、横になってじっとしてもらっている時でも、身体の深部から起こる動きを感じます。
あたかもアメーバのような単細胞の生物が形を変えていくように、ゆったりと動いている流れがあります。
それは、呼吸や循環や排泄といった生命の根源的な働きに基づく動きであるように感じています。
身体は空気が出入りし、全身に血液が送られ、食物が消化され、緊張と弛緩が繰り返されています。
そうした働きはあまりに自然に行なわれているため普段は認識することはありませんが、内部は常に変化し続けています。

施術では、そうした深部の動きを顕在化させる触媒となり、その働きが増幅するように誘導します。
なるべく深部の動きを妨げないように器のバランスを整え、心身共にリラックス出来るポジションに近付けます。
そこから、自分の深部の動きで触れることで、初めて深部の動きを導くことが出来ます。
手を触れる場所も動いていく方向も決めずに、身体に備わった動きが伸び伸びと働くように心掛けています。
触れたところからバランスが一方向に寄り切って転換するタイミングが、最も変化が起こりやすくなります。
日々の使い方で形成された癖の動きではなく、根源的な動きを高めるように導きます。

 

寒天好きの隠し通路
乗り潮
私が深部の動きに注目し始めた頃に書いた記事です。
関心を持たれた方は、こちらもお読みください。



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第三回 聞香の会 その3

   2019年09月27日

 

聞香の会(9/21)

朝晩は寒いかな~?と感じる季節になってきました。
夏の暑さを感じていた身体はなかなか寒いとは感じることができなく、涼しくて気持ちいいと思うことも。
それが落とし穴で、身体の中が冷えているとは気付かず、冷えが原因で急に体調を崩すこともあります。
そして、夏の疲れが出てくる季節でもあります。

先生は直感的に「今日は足湯がいる」と思ってしてきたそうです。

流石です!

始まるまでの先生との会話は楽しくて、気付きも多いです。

ということで、今回はいつも以上に弛むようにと香木を選んでくれてきたそうです!

1香目で弛む弛む。

3香目で身体の芯から温まる足先までしっかり。

4香目は目が凄く弛んできて、頭も弛んできました。

身体が出来上がった状態での5香目がとにかく凄かったです。

あっ、これを聞くために1~4が必要だったんだな~と。

ごちそうさま!の5香目(笑)

弛むと子供にやさしく接することが出来るような気がします。
育児には身体の弛みが必要でそこからくる心の余裕がとても必要なのだなと毎度実感します。

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合気と感覚 その3

   2019年08月30日

 

多くの治療法は、その理論や技法に合わせて身体を使います。
編み出された先生にとってはベストな方法であっても、身体も感覚も違うため、同じことは出来ません。
場合によっては、施術をする度に自分の身体に負担を掛けてしまっていることもあります。
いくつもの治療法を使い分けようとすると、自分の中で統合していくことが、ますます困難になります。

センタリング・メソッドでは、合気がそのまま治療に使えることを教えて頂いています。
一般的には武術と治療は表裏一体という表現で語られることが多いですが、対比という印象はありません。
相手の中心を崩すか崩さないかの違いだけで、繋がりを誘導するという面で完全に共通しています。
自分のバランスを中心に近付けることで、相手を中心からずらして転ばせることも、中心に導いて整えることも出来るようになります。
自身の感性を磨くことが、患者さんを診る目を養い、施術の技術を高めることに直結します。
施術に合わせて身体を変えるのでは無く、自然な動作を身に付けることで、自ら治療を生み出せる身体を目標としています。

街中で集まって見える見えないと議論している星が、山から空を見上げると、いとも簡単に見えたりします。
医療の現場でも、そうした場面によく遭遇します。
自分の立ち位置が変われば、見える世界も変わります。
外から入ってくる情報を拠り所にするのではなく、感覚を元に外の世界を観るように立場を移します。
日々のどのような活動も、感覚の訓練の場とすることで、自分を健康に導くトレーニングや体操になり得ます。
感覚を信用できることは、そのまま自分への信頼に繋がります。
それは、身体の健康だけに留まらず、人生にも通じる転換になると考えています。


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合気と感覚 その2

   2019年08月27日

 

稽古で組み合うと、相手に技を掛けようとする欲が動作に表れます。
その途端に身体が緊張して動きが止まります。
そうしたときも、最初から相手に働き掛けようとするのでは無く、まず自分の身体の状態に目を向けます。
姿勢を正したり、肩の力を抜いたり、全体に意識を広げたりすることで、楽に技が掛かることを体験します。
合気では、自分の身体の状態が、相手に反映されて技になります。
したがって、技が掛からない原因は、相手ではなく、自分にあります。
稽古では、身体の緊張や重心の掛かり方、意識の広がり、心の持ちようなど、自分の現状を感じ取ることを重要視します。
緊張を感じられなければ力を抜くことが出来ず、意識が届いていない場所は認識することが出来ません。
自分の身体の感覚が及んでいる分だけ、相手の状態を感じられるようになります。

相手と向き合うことで感覚が磨かれるという点では、どのようなスポーツも同様だと思います。
ただ、スポーツには勝ち負けというハッキリした目標があるため、意識が外に向きやすいという側面があります。
合気の稽古でも技が掛かる、掛からないという結果は表れますが、それは目的ではありません。
技を掛けられる側も、力の通り道を作ってあげることが、自分の感覚の向上に繋がります。
稽古は、投げた投げられた、勝った負けたを競うものではなく、お互いが感覚を高め合っていく関係にあります。

何かの匂いに反応しても時間が経つと印象が薄れていくように、同じ刺激に対して感覚は順応して鈍くなります。
きれいに身体が繋がって動けたとしても、同じ経路を通そうとすると、感覚ではなく思考が先行して別の動きになります。
それと同様に、日々の行動も同じだと決めつけて同じことを繰り返していると、感覚が磨かれることはありません。
常に条件は変化しており、その違いを味わいながら、発想を固めずに取り組む姿勢が大切になります。
一つの原理から派生した枝は、どこから切り取っても幹に辿り着きます。
毎回、テーマや切り口を変えて、合気の稽古を付けてくださっています。




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合気と感覚 その1

   2019年08月23日

 

テレビをつけると、いくつものチャンネルで健康番組が放送されていることがあります。
本屋に行くと、体操やトレーニングの本だけでも、たくさんの種類があります。
情報が多すぎて、どれを信じたら良いのか分からないという話を聞くことがあります。

どんな健康法も、伝えている本人にとっては効果があったとしても、それが万人に当てはまるわけではありません。
一人一人、生まれ持った身体が違えば、生活の環境も違います。
そして、自分の身体も日々変化しています。
さらに、同じ運動を同じように教えられたからといって、同じ動きが出来ているとは限りません。
そうした一般化できないものを、形として伝えようとすると、どこかに無理が生じます。

各々に個性があっても、身体には共通する理に適った使い方があります。
合気の稽古では、そうした働きが自然に起こるような身体を目指します。
稽古を通して合気を掛けてもらう中で、様々な感覚を得られます。
腕を持たせてもらうと、脱力と共に緊張が溶けていったり、吸気と共に身体が包まれて浮き上がったり、伸びと共に力が駆け抜けたり、落下と共に突然に掴んでいる実感を見失ったりします。
微かに触れられるだけで、変化が全身に伝わってバランスが崩れたりします。
それは、単なる接触とは全くの別物です。
そのような現象が起こると言うことを実際に体感すると、新しい感覚や発想が呼び起こされ、それが自分の姿勢や動作を見直していく上での指針となります。
稽古で技を掛けるときも、形を真似するのでは無く、そうした体感を元に自分の身体の使い方や相手への力の伝わり方を検証します。


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巣立ち

   2019年08月18日

 

夏季休暇は実家に帰り、家族で海や川に出掛けたりしました。

先月、紹介したツバメは、もう自由に飛び回れるようになっていました。

巣立ちの時期も近いようです。

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時間と感覚 その2

   2019年08月03日

 

刀を振り上げるとき、丹田からの伸びを伝えることによって腕を上げていきます。
振り下ろすときは、力を抜いて重力による落下に任せ、刀に丹田の重みを乗せます。
待つときは、いつでも相手の中心に最速で刀を下ろせる状態で、刀を構えます。

丹田の動きが手に伝わるまでの間には、時間差があります。
したがって、手が動くより先に、丹田は手が向かう方向を知っていることになります。
そして、相手に向かう意識はそれよりも更に前から働いています。
相手が外見上の動きを認識したとき、すでに意識は通り、丹田の動きが始まっていることになります。
お互いの間の時間差が開いているほど、状況に応じて臨機応変に対応する余裕が生まれます。
相手が振り下ろした太刀筋を避けたり、隙が生じた点を狙ったり出来ます。
一瞬が勝敗を分けるであろう真剣勝負において、その差はとても大きなものだろうと想像できます。

楽しいことをしているときは時間の流れを早く感じ、退屈なときに遅く感じることは、誰しも経験します。
時間のペースはみんな平等だと考えられていますが、時間の感覚や流れへの乗り方は人によって違うように思います。
それは、その時々の心身の在り方に左右されます。
心身の緊張が弛み、丹田に落ち着いていると、いつでもどちらにでも動けます。
そうした余裕は、生活においても大切なのだと思います。
季節の移ろいも、人の行動も、心身の健康も、変化が外に表れる前に、そちらへと導く背景があるように感じます。
そうした動きを受け取り、臨機応変に対応できるバランスに居られるように、稽古を続けていきたいと思っています。


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