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PONOブログ

2020年10月

自然の在りよう

   2020年10月05日

 

私の実家は、京都府の山村にあります。
村の姿を見ると、自然の在りように合わせて生活が営まれていることが分かります。
山には陽の当たりやすい側と当たりにくい側があり、川は高いところから低い所へ流れ、逆になることはありません。
それに沿って、道ができ、家が建てられ、田んぼや畑が作られています。

私が学生の頃、台風の影響で下流の川が氾濫したため、実家の近くの川を整備する計画が進められました。
大型車両が出入りするために山が切り開かれ、川岸をコンクリートで覆う護岸工事が行われ、上流にはダムが造られました。
身近な自然が人の手で造り変えられていく様子を見るのは、胸が痛みました。
自然災害で川が乱れ山が崩れても、形を変えて自然は生き続けます。
しかし、人工的にコンクリートで固めてしまうと、そこに生えていた草や住んでいた生き物が戻ることはありません。
水量の少ない小川に、それほど大掛かりな工事が本当に必要だったのか、今でも疑問に感じます。

関節の手術をされたレントゲンを見ると、その時とよく似た感情を抱くことがあります。
実際に、私が整形外科で診せて頂いていた患者さんが膝の手術をされることが決まったときは、自分の力不足を痛感し、治療が上手くなりたいと心から思いました。
もちろん、大きな怪我をされたり関節の変形が進んでいたりと、手術が必要な場合もあるのだと思います。
立っていられないほど辛い膝の痛みから自由に歩けるようになるなど、手術で助けられた方も沢山おられます。
けれども、動作の制限が強かったり、別の場所に痛みが出たり、術後の相談を受けることも良くあります。
手術に依らない保存療法で改善するケースも多々あり、その方が身体の負担が少ないことは間違いありません。
そして、それ以前に傷めないように普段の身体の使い方を変えていくことの大切さを実感しています。
自然に治したいという方の希望に応えられるように、健康について学び続けていきたいと思っています。

O

実家は、見えている山の向こう側にあります


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