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合気と感覚 その2

   2019年08月27日 カテゴリー : 合気 

 

稽古で組み合うと、相手に技を掛けようとする欲が動作に表れます。
その途端に身体が緊張して動きが止まります。
そうしたときも、最初から相手に働き掛けようとするのでは無く、まず自分の身体の状態に目を向けます。
姿勢を正したり、肩の力を抜いたり、全体に意識を広げたりすることで、楽に技が掛かることを体験します。
合気では、自分の身体の状態が、相手に反映されて技になります。
したがって、技が掛からない原因は、相手ではなく、自分にあります。
稽古では、身体の緊張や重心の掛かり方、意識の広がり、心の持ちようなど、自分の現状を感じ取ることを重要視します。
緊張を感じられなければ力を抜くことが出来ず、意識が届いていない場所は認識することが出来ません。
自分の身体の感覚が及んでいる分だけ、相手の状態を感じられるようになります。

相手と向き合うことで感覚が磨かれるという点では、どのようなスポーツも同様だと思います。
ただ、スポーツには勝ち負けというハッキリした目標があるため、意識が外に向きやすいという側面があります。
合気の稽古でも技が掛かる、掛からないという結果は表れますが、それは目的ではありません。
技を掛けられる側も、力の通り道を作ってあげることが、自分の感覚の向上に繋がります。
稽古は、投げた投げられた、勝った負けたを競うものではなく、お互いが感覚を高め合っていく関係にあります。

何かの匂いに反応しても時間が経つと印象が薄れていくように、同じ刺激に対して感覚は順応して鈍くなります。
きれいに身体が繋がって動けたとしても、同じ経路を通そうとすると、感覚ではなく思考が先行して別の動きになります。
それと同様に、日々の行動も同じだと決めつけて同じことを繰り返していると、感覚が磨かれることはありません。
常に条件は変化しており、その違いを味わいながら、発想を固めずに取り組む姿勢が大切になります。
一つの原理から派生した枝は、どこから切り取っても幹に辿り着きます。
毎回、テーマや切り口を変えて、合気の稽古を付けてくださっています。




 

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