2019年10月
スマホ首
スマートフォンの普及によって、目の疲れや首肩のトラブルを抱えた方が増えています。
スマホを見る姿勢がどれだけ身体に負担をかけているか、簡単な実験で確かめることが出来ます。
下を向いて座った姿勢と、背筋を伸ばして座った姿勢で、息を吸ったときの違いを比べてみます。
どちらが呼吸が入りやすいでしょうか。
さらに、姿勢を正した状態で、スマホを顔の前に持ってきた場合と、離れたところに置いてある物を見た場合も比較してみましょう。
姿勢や視点でこれほど呼吸に違いが生じることに驚かれた方もおられるかも知れません。
長時間、呼吸が入りにくい状態を続けていて、健康に良いはずはありません。
それは、伸び伸びと育とうとしている植物をずっと窮屈な箱に押し込められているようなものです。
姿勢が傾いてきたり、目の使い方に左右差があると、なおさらバランスは崩れていきます。
姿勢が整っているとき、空気の出入りに合わせて、骨盤が揺れ、背骨を呼吸が通っている感覚が得られます。
そして、深い呼吸の心地良さは全身に広がっていきます。
出来るだけ長時間のスマホの使用は避け、身体が喜ぶ時間を作っていきましょう!
寒天好きの隠し通路
位置遠効果
外を歩く時の視線について以前に書いた記事です。
まだ目が疲れていない方は、読んでみてください。
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アンテナ
同じ光景を目にしても、そのまま素通りする人も居れば、それを自分の人生に活かす人も居ます。
画家なら絵のモチーフに、作家なら小説のアイデアに、スポーツ選手なら動作のヒントになったりします。
その人の興味が向いている先に、アンテナが張られているのだと思います。
それと同様に、健康であるためには、自分の身体で起こっている出来事に関心を持つことが大切です。
外界だけではなく、自分の内に向けたアンテナが必要になります。
病気や怪我といったハッキリとした症状だけでなく、小さな変化は日々起こっています。
そうした違いに目を向けることが、大きな災難を予防することに繋がります。
それは、薬や手術に頼らずに過ごしていくために欠かせないのでは無いかと思います。
自分以外に、自分の内で起きている出来事をキャッチできる人は居ませんからね。
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身サイン
以前、同じようなテーマで書いた記事です。
興味を持たれた方は、こちらもどうぞ。
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イメージ
私たちが何かと関わり合うとき、その間にはイメージが介在します。
重いものを持ち上げようとするとき、それに応じて力が入ります。
柔らかいものに触れようとするとき、それに応じて優しく近付きます。
対象へ抱いているイメージに合わせて、無意識に身体の使い方を対応させています。
イメージの働きが足りていないと、発揮する力に過不足が生じて、身体を傷める原因になります。
反対に、イメージ力を高めることによって、それに合わせて身体をコントロールしたり、周りに反映させることも出来ます。
重いものを持ったときもしなやかに、硬いものを持ったときも柔らかく動けると、身体を固めずに動作を行えます。
取り組んでいる物事に対して明るいイメージを持っているほうが、良い結果が起こりやすいということもあります。
人に対しても、物に対しても、どういったイメージをもって関わっていくかというのは、とても大切ですね。
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隙間
何か運動をするとき、動作をしているという実感を求めてしまうことがあります。
筋力トレーニングすると特定の筋肉に疲労が溜まり、ストレッチをすると特定の筋肉が伸びている感覚があります。
それは、全体のバランスという観点から見ると、偏りが生じたという捉え方も出来ます。
骨と骨の間にも、骨と筋の間にも、筋と筋の間にも、筋と皮膚の間にも隙間があります。
繋がって動けたときには、力がどこにもぶつからずに隙間を通り抜け、身体はバランスを変えていきます。
合気の稽古でも、拍子抜けするくらい楽に相手を転ばせられる時があります。
実感があるということは、そこで力が滞っているということでもあります。
日常の動作でいかに実感を減らし、感覚を高めていくかを課題にしています。
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身体の内と外 その2
施術で、そうした深部の動きを感じる方もおられれば、感じられない方もおられます。
自覚があるかどうかに関わらず、入力された感覚は脳に伝わり、身体の可能性を内側から広げてくれます。
深部の動きが充実すると、表層の筋を緊張させる必要が無くなり、身体の自由度が増します。
呼吸の深さや脈のペースも変わり、内臓の働きが高まります。
視覚や聴覚といった感覚の変化に気付かれる方もおられます。
深部の動きは、とても控え目で繊細です。
余計な力や意図が働いた途端に、関係性が途切れて、姿が見えなくなります。
合気の鍛錬は、身体に自然に備わった動きを自在にコントロール出来るようにするところにあるのだと考えます。
表層の動きで対抗し合うと単なる力比べになりますが、自分の深部の動きに沿うことで、相手を内側から動かしてバランスを崩します。
相手の掴み手に合わせて力を抜いていく過程を、深部の動きと一致させます。
その際、相手との間の遊びを無くして、一体としておく必要があります。
呼吸で身体を前後左右に広げ、右回り左回りの伝わりを確認します。
平面的な空間に螺旋が加わることで、立体になります。
動きの方向や速度は、丹田によって調節します。
押すばかり、引くばかりの一方通行では、動きが止まって固まります。
深部の動きが妨げられることなく伝わり、全身の中で押す動きと引く動きが並行して行われることで、バランスを変え続けることが出来ます。
現代の生活は、新しい脳で処理する仕事や、表層の動きで済ませる用事が大部分を占めます。
けれども、生命の根幹から離れては、身体を診ることは出来ないのではないかと思います。
これからも深部で起きている現象に目を向け、お客様の健康に役立てていきたいと考えています。
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成長快調
私が妻の出産に立ち会ったときに書いた記事です。
観点を変えてみたい方はどうぞ。
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身体の内と外 その1
重い物を持つとき、腕に力を込めて持ち上げようとします。
バランスが崩れそうになったとき、身体を緊張させて元の位置に留めようとします。
私達はいつの間にか、筋力を込めた方が強い、固めた方が安定する、といった身体の使い方が染み付いています。
合気の稽古で相手に技を掛ける中で、力が抜けた状態の強さを学びます。
脱力しているからこそ、全身が協調して働き、自在にバランスを変えることが出来ます。
合気の上達は、気付かない内に身に付けてきた様々な思い込みからの脱却でもあると思います。
お客様の身体に触れさせて頂くと、横になってじっとしてもらっている時でも、身体の深部から起こる動きを感じます。
あたかもアメーバのような単細胞の生物が形を変えていくように、ゆったりと動いている流れがあります。
それは、呼吸や循環や排泄といった生命の根源的な働きに基づく動きであるように感じています。
身体は空気が出入りし、全身に血液が送られ、食物が消化され、緊張と弛緩が繰り返されています。
そうした働きはあまりに自然に行なわれているため普段は認識することはありませんが、内部は常に変化し続けています。
施術では、そうした深部の動きを顕在化させる触媒となり、その働きが増幅するように誘導します。
なるべく深部の動きを妨げないように器のバランスを整え、心身共にリラックス出来るポジションに近付けます。
そこから、自分の深部の動きで触れることで、初めて深部の動きを導くことが出来ます。
手を触れる場所も動いていく方向も決めずに、身体に備わった動きが伸び伸びと働くように心掛けています。
触れたところからバランスが一方向に寄り切って転換するタイミングが、最も変化が起こりやすくなります。
日々の使い方で形成された癖の動きではなく、根源的な動きを高めるように導きます。
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乗り潮
私が深部の動きに注目し始めた頃に書いた記事です。
関心を持たれた方は、こちらもお読みください。
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