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PONOブログ

   2019年06月21日 カテゴリー : 合気 

 

私達は、一人で完結しているわけではなく、常に外界や他者との関わり合いの中で生きています。
合気の稽古を通して、いかに他者とぶつからずに関わるかを学びます。
相手に手首を押さえられると手首に、腕を掴まれると腕に、力が入ってしまうことを自覚します。
そして、力で対抗しようとしてもどうしようもない状況を体験し、力を抜くことの大切さを知ります。
相手と接している場所で直接戦わなくても、動ける場所はたくさんあることに気付きます。
身体の表層を押さえ付けられたとしても、深層は自由に動かすことが出来ます。
自分の内面に意識を向け、今まで使えていなかった場所を発見していきます。
そして、余分な動きを減らしていくことで、次第に動作の幅が細くなっていきます。
脚の内側や骨盤の隙間や体幹の中央を力が通り、中心の動きが指先まで伝わります。

相手に触れたり、道具を持ったりすると、自分のバランスも変わり、全体としての中心が生まれます。
いくら動かそうとしても動かなかったものが、自分を通り道として両者の中心から動かせると、驚くほど楽に相手を転ばせられることを体験します。
相手や状況がどのように変わっても、中心をもって対応できる身体を創っていくために、稽古に参加しています。

そうした中心の感覚や身体の繋がりは、自得していくしか無いことを実感します。
稽古では毎回、注目する切り口や用いる道具が異なり、視点を変えながら取り組みます。
技を掛けているとき、力が入って固まっている場所や、意識が薄く働いていない場所に、手を加えてくださいます。
そうした様々な観点は、原理から派生して結果的に生まれるのであって、身体のベースは自分以外の誰にも創ることは出来ません。
自分が体感して初めて、師匠が、体験として、言葉として、文章として、錬功法として、あらゆる方法をもって伝えてくださっていたことに気付きます。




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   2019年06月19日 カテゴリー : 合気 

 

どんな形状のものにも、バランスが取れる中心が一点あります。
ボールのような単純な形だと中心のイメージがしやすいですが、身体のように複雑な構造にも、それは当てはまります。
皮膚や筋や骨や内臓といった様々な組織を、形や重さや固さなど異なる性質を、全部含めたバランスです。
身体は、骨や筋で支えているのではなく、中心の動きに全体が自由に付いていく状態にあって初めて、釣り合いが取れます。

けれども、私達は日々の生活の中で、そうした釣り合いとは無関係な行動を積み重ね、身体をあちこち固めてしまっています。
その結果、身体の中心が、本来の位置からずれてしまいます。
「バランスを整える」ということは、現状の中心を本来の中心に一致させることだと考えます。
バランスの中心とは、体の釣り合いだけを指すのではなく、心の中心、呼吸の中心といった意味合いも含みます。

センタリング呼吸法』は、前後・左右・上下の振れ幅を中央に寄せていくことで、中心に近付けていきます。
心身の緊張が弛んで自然の流れに逆らわずに導かれていくとき、バランスは中心に納まっていきます。
それは、固定した一点ではなく、心身の移ろいや呼吸の行き来と共に、緊張したり弛緩したり、広がったり集まったり、変化し続けています。


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   2019年05月20日 カテゴリー : 子育て 

 

一緒に楽しんで遊んでいると楽しくなり、一緒に横になって眠たくなると眠ってしまいます。

子供をどうこうしなくても、自分の状態が映って同調しているのだと感じることがあります。

そういう意味では、施術も根本的な部分は似ているのかなぁと思います。

より楽な姿勢が取れ、より深い呼吸ができ、より健康になれるように自分を磨いていきます。

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   2019年05月02日 カテゴリー : 合気, 骨盤 

 

私は毎週、合気の稽古に参加し、覚書を残しています。
今年書き残したメモの中から、特に骨盤と関係の深そうなものをピックアップしてご紹介します。

【骨盤】

脚の向きや幅、骨盤の角度など条件を変えながら、四肢から丹田に集まってくる流れを集約できる前提を検証する

下肢内側から臀筋間、仙腸関節、第五腰椎、季肋部、肋骨、頚部へと、呼吸で丁寧に繋げながら指先まで伝達する

身体を捩らずに左右の仙腸関節で引きと攻めをすることで、脚を後方に引きながら、対側の拳で前を突く連動が起こる

骨盤を締めたまま、さらに恥骨や坐骨を寄せることで、内圧を高めて細い幅で動く

恥骨を寄せながら中央に骨盤を寄せて、左右の骨盤の輪の中をきっちり力が通っていくように廻す

腸骨稜の丸みを歯車として嚙み合わせるように吸い込み、逆回転させることで相手の内側に入り込んで浮かす

中央での吸い上げを反映させて相手を浮かせ、骨盤の動きによって下から潜り込んで背骨を立てていくことで離陸する

呼吸で仙骨と後頭骨を繋げて張力を溜め、仙腸関節の幅で焦点を合わせて力を放つ

吸い込んだ負荷や返っていく起点や方向の切り替えを外に逃がさずに、骨盤の内部で処理する

骨盤内の圧力を呼吸で操作して、溜めからの転換によって起きる力を全身に伝えることで動きを導く

骨盤を回旋せずに、左右の薄筋の張力をグラデーションのように移し替え、前後に重心移動する

骨盤の傾きが脊柱を上り、糸の張りが手に伝わるまで待って、バランスで刀を浮かす

吸い上げと共に骨盤や肋骨を下から締めて、中を細くしながら刀を上げていく

第五腰椎を決めて息を吸うと腰のカーブに合わせて反りが生まれ、その刃筋のまま仙腸関節の動きで斬る

仙腸関節の切り替えで刀の角度をコントロールして、相手の首筋を通るラインへ捻り込む

腸骨と対側の肩甲骨の関係性を維持しながら袈裟に構え、上げるときも下ろすときも骨盤で先導するように動く

骨盤の前後左右の複合した動きを、膝と肘のバランスに反映させて、常に丹田で主導しながら刀を振る

鼠径部が深まる方向へ骨盤を傾け、背部の脱力や肩甲骨の落下と繋げて刀を下ろす

骨盤の内部で相手の中心に伝わる角度に刃筋を合わせたら、落下するバランスのまま鼠径部の隙間に落とすように斬る





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   2019年04月29日 カテゴリー : 書籍, 骨盤 

 

『気功入門―からだの自然が目を覚ます』 天野 泰司・著より、引用させて頂きます。

 産後のお母さんに必要なのは、骨盤のケア。
産後骨盤は左右交互に閉じていき、一週間ぐらいで左右の骨盤がそろって閉じます。
その左右そろって閉じるときが起き上がりの時期なのですが、途中で骨盤に力が入ると、そこで骨盤の動きがストップしてしまいます
そうしたときには骨盤に違和感が残っているはずですから、気持ちの良い範囲で足を自由に動かしたり、骨盤に手をあてたりします。
そうすると、骨盤に動きが出てきて閉まってきます。
母乳を与えることも骨盤の収縮を促します
そして、きちんと骨盤が閉じると母体も整い、健康で美しくなります
自然とは本当によくできているものです。

 また産後二ヶ月ぐらいは、目の使い過ぎに注意し、骨盤に無理がかからないように生活しましょう。

(引用終了)

出産において、お腹の赤ちゃんにとって居心地の良い骨盤を作ってあげることは、とても大切です。
また、産まれてからの授乳や抱っこの姿勢は、お母さんの健康だけでなく、赤ちゃんにも反映されます。
お母さんの身体が安定していると、赤ちゃんも安心して身を任せることが出来ます。

産前産後の骨盤ケアのご相談も、お受けしております。



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   2019年04月27日 カテゴリー : 書籍, 骨盤 

 

『家庭の人体力学』 井本邦昭・著より、引用させて頂きます。

生理期間をうまく過ごせるかどうかは、骨盤の状態で決まります。
毎月ある生理は、女性にとって体をリフレッシュさせる一番のチャンス。 体にとって不要となった血を排泄するのですから、本来は気持ちがよいものです。
しかし、現代の女性は、ストレスや汗をかかない生活習慣などから体の様々な部位に負担をかけているため、骨盤の開閉がうまくいかず、痛みを引き起こしてしまうことがあるのです。

女性の骨盤内には、出産に必要な子宮や卵巣が備わっています。毎月、女性ホルモンに連動し て骨盤はわずかに開閉し、生理がスムーズに行われます。
しかし、生殖器や呼吸器と関係の深い頚椎4番に負担がかかると、血流や神経伝達、ホルモンの分泌が悪くなり、排卵がしにくくなったり、生理が長引くなどの影響が出ます。生理のときも、骨盤の開き方に左右でアンバランスが生じるなど、骨盤の開閉がうまくいきません。体は骨盤を収縮させて痛みを起こすことで、何とか骨盤を開こうとするのです。
一日中パソコンを使っていたり、育児や介護で腕を使いすぎても、背中の筋肉が硬直し、その 緊張が骨盤に伝わって骨盤の開閉がうまくいかなくなることがあります。また、過度なダイエットで血流やホルモンのバランスが崩れたり、子宮の急処である足首を冷やすことで生理痛が現れ ることもあるのです。

(引用終了)

骨盤の自由度は、内臓の働きにも影響を及ぼします。
特に女性は、性周期に合わせて身体も大きく変化し、骨盤の状態に体調が左右されやすくなります。

骨盤の内部は、子宮や卵巣といった生殖器だけでなく、直腸など消化器の居場所でもあります。
骨盤のバランスを整えることは、消化や排泄の働きを高め、ウエストやお尻のラインをスッキリさせます。


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   2019年04月25日 カテゴリー : 書籍, 骨盤 

 


『究極の身体』 高岡 英夫・著より引用させて頂きます。

 この仙腸関節があるからこそ、魚類の時代から持ってきた本来の背骨の自由な働きが損なわれず、後で解説する豊かで奥深い”究極の身体”の運動が可能になるのです。
本当に感動するほど人間の身体というのは良くできているのです。
まさに神様にしか創れない身体です。

 しかし、自由というのはいい方向にも悪い方向にも転がる可能性を秘めています。
人間の身体で言えば、まずこの仙腸関節が代表格です。
人間、赤ちゃんの時は誰でもこの仙腸関節が関節として自由に動かせる状態になっていて、左右の腸骨と仙骨は確実に分かれています。
でも身体をより安定させる方向を選んで、仙腸関節付近の筋肉を固めてしまうと、左右の腸骨と仙骨が一体化し、まるでひとつの骨のようになってしまいます
もちろん骨格の構造としては大人になっても腸骨と仙骨は別の骨なので、大人でも仙腸関節の柔らかい人たちが少数ですが存在します。
いわゆる天才・達人・名人といわれる”究極の身体”に近い人々は、仙腸関節が柔らかい人たちなのです。
逆に言えば、仙腸関節が固まったと言っても骨化したわけではないので、誰にでも”究極の身体”になるチャンスは残っているということです
つまり仙腸関節の柔軟性が、凡人と達人の最初の分かれ目になるということです。

(引用終了)

私は鍼灸の資格を取るとき、解剖学で骨盤の構造を学んでいましたが、どうやって動かすのかを考えもしませんでした。
合気の稽古を通して、骨盤の動きを意識するようになり、動作における仙腸関節の働きの大切さに気付きました。

仙腸関節を自由に動かせるようになる時間や可動域は個人差がありますが、誰でも出来るようになります。
そして、それはあらゆる動作を根本的に変えてくれます。





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   2019年04月23日 カテゴリー : 書籍, 骨盤 

 

『骨盤にきく』 片山洋次郎・著より、引用させて頂きます。

 足腰が丈夫な人は健康だ、腰の据わっている奴は決断力があるなど、腰というのが人間にとって要になる部分だというイメージはあると思います。

 骨盤の動き方は、身体全体の健康はもちろん、心の状態とも密接につながっています。
私は三十年近く、整体を通じて数多くの人を観てきたわけですが、現代人の疲れは慢性化して抜けにくい。


 仕事や生活の質が、肉体労働より頭脳労働に偏っていることもあるのでしょう。


 何か特定の疾患があるというよりは、何となく体調がすぐれない、気分が重いという人が多いのです。
もちろん、はっきりとした痛みや症状を持っている人もたくさん来るのですが、総じて思うのは、”骨盤の弾力”が失われてきているということです。
ここ十年、その傾向は加速度的に強まっている。


 それは若い人や子どもにも言えることで、ちょっとみていて驚くくらいです。
「骨盤が動く」と言うとびっくりするかもしれませんが、本来骨盤というのは、かなり開いたり閉じたり、上がったり下がったり、前後に傾いたり、ねじれたりもします。


 朝と夜では違うし、季節によっても変化する。生理の前と後ではかなり違いますし、集中しているときと気が散っているときでは状態がまったく異なります。更年期や思春期にも大きく変化します。


 身体は体内のリズムや環境の変化に応じて、常に自分で自分を調整しようとします。
それが一番端的に現れるのが骨盤の動きなのです。


 私たちの骨盤の機能がどんどん落ちているいま、身体の内側の声をきいてみよう、骨盤の声に耳を傾けてみようという提案をしたいのです。


 骨盤が本来のしなやかな弾力を取り戻すと、ずっと生きやすくなります。
身体の健康面においても、心の面においてもそうです。

(引用終了)

よく「骨盤の歪み」という言葉を聞きます。
実際に、骨盤が動いていなかったり姿勢が偏ったりしていて、開いていたり固まっている方もたくさんおられます。
逆に言えば、動作や姿勢を見直すことで、自分で骨盤のバランスを整えることも出来ます。

当店では、骨盤のバランス調整だけでなく、骨盤の動かし方のレッスンも承っています。



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   2019年04月15日 カテゴリー : お知らせ 

 

今年のゴールデンウィークは、通常通り営業します。

定休日以外は開けておりますので、連休中に体調を整えたい方、ご予約をお持ちしております。


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   2019年04月11日 カテゴリー : 合気 

 

膝の痛みを抱え、変形性膝関節症と言われている方も多くおられます。
原因として、加齢によって半月板がすり減った、体重の増加によって関節に負担が掛かったという説明をよく聞きます。
実際に、レントゲン上でも、関節の隙間が狭まったり、関節が変形して大きくなっていることは多くありますが、それは結果であって原因ではありません。

膝の痛みによって、立ち上がる時や、階段の昇り降りをする時がつらいと言われることがあります。
動作を見せて頂くと、下腿部を止めたまま、膝関節を支点として上半身を持ち上げようとする使い方をされているケースを目にします。


それでは、上半身を移すために膝や太腿ばかりが頑張らなければなりません。
視点を変えると、膝関節がそうした身体の使い方に適応するために、関節の形を変えているという見方も出来ます。
骨が変形する過程では炎症が起こり、当然、痛みを伴います。
筋力で補おうと太腿のトレーニングをすると、原因が改善されないばかりか、症状を助長する恐れもあります。
本当に必要なのは、膝が膝としての役割を果たせるように、全体の中で使い方から見直すことです。
呼吸、重心移動、脚の向き、骨盤や背骨の角度、頭の位置、目線など、協力してくれる場所が増えるほど、膝の負担は減り、本来の働きを取り戻します。
そして、そうして得た感覚は、日常のあらゆる動作に関連し、自らを健康に導く上で役立ちます。

身体はいつも、自分の日々の活動や内から起こる要求に応えてくれています。
誰もが健康でありたいと望んでいるのに必ずしもそうならないのは、本来の身体の持つ機能と実際の身体の使い方の間のズレが一つの要因として考えられます。
そうした隙間を埋められるよう、合気を通して学んだ呼吸と動作を元にアドバイスさせて頂いています。


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