アナログとデジタル
2021年12月07日 カテゴリー : 健康
私は学生の頃、ラジオをよく聴いていました。
実家は山奥で電波の届きにくい場所なので、アンテナの向きやダイヤルを微調整しながら、クリアに聞こえる位置に合わせていました。
アンテナを持ちながら少しでもノイズが少ない位置を探し、気に入った曲をカセットテープに録音したりしていました。
いま考えれば、音楽を聴くのにも手間を掛けていましたが、それはそれで楽しかったことを覚えています。
最近はオーディオ機器もデジタル化が進み、そうしたアナログ式の調整をする機会は少なくなりました。
ラジオのチューニングも音量の段階も数値化され、デジタルで制御されるものが主流です。
それが必ずしも優れているかと言えば、そうとも限りません。
聴きたい番組の周波数を選ぶとクリアに聞こえますが、電波が届きにくい場所では全く入りません。
音量がしっくり来なくても、ちょうど良い段階が無ければ、大きめか小さめのどちらかで妥協するしかありません。
その時代の文化と身体観というのは、関連し合っています。
現代は自分の感覚に対する信頼性が希薄になり、発想もデジタル化が進んでいる気がします。
けれど、本来の自然は、デジタルに馴染まないように思います。
身体のバランスや重心といった感覚は、0か1かで割り切れず、その間に段階分けできないグラデーションがあります。
そうした繊細さや連続性が、身体の使い方を見直す上で重要になります。
周りにはデジタル化されたものが増えていますが、アナログの感覚を大切にしていきたいものです。