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立っているときの重心

   2020年12月03日 カテゴリー : 健康 

 

姿勢のチェックとして、背中を壁に付けて立つ方法がよく紹介されます。
踵や背中や頭と、壁との間に隙間がない状態が良いとされています。
実際に、その時の重心の位置を観察すると、踵に乗っていることが分かります。
壁に触れている時はまだしも、その姿勢のまま立つと、ふくらはぎの筋肉は縮み、後ろに倒れないように脚の前側が緊張します。
そこから歩こうとすれば、重心を前に持っていくために前足底で地面を蹴って進むしかありません。
立ったり歩いたりと言った日常の動作で緊張状態が続くと、それだけ身体の負担は増えます。

筋力に頼らずにバランスで歩くためには、歩く前の姿勢が大切になります。
股関節の重心のラインが踵の前に落ちる位置にあると、骨盤の傾きによって脚の前が伸びたり後ろが伸びたりします。
骨盤がニュートラルなポジションでは、どちらにも揺らぐことか出来る不安定なバランスがあります。
揺らぎの範囲から外れた姿勢で立っていると、筋が緊張して安定させようとします。
不安定なバランスだからこそ余分な力が抜け、どちらにでも動くことが出来ます。

その時、両足を揃えていると、左右の土踏まずを上面とする球体の空間を感じられます。
球体を風船の様にイメージし、その中心を意識すると、息を吸った時に膨らんだり、吐いたときに縮んだり感覚が得られます。
その球をなぞるように動くと、足底の感覚を損ねること無く、重心を移すことが出来ます。
歩くときは、前方への重心の偏りが高まって次の一歩が踏み出されます。
肚の傾きで、歩くスピードや距離感がコントロールされます。
一滴の水から波紋が広がるように、中心で起きた僅かなバランスの変化も、身体の端々に動きを生み出します。
行き先を邪魔せず自由に動けるように、身体を弛めておくことが大切になります。

重心の位置は、物事に向き合う心持ちにも影響を与えます。
腰が引けることも前のめりになることも無く、楽な姿勢で過ごしていきたいものです。


 

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