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丹田について その1

   2018年05月11日 カテゴリー : 合気 

 

合気関連の記事で分かりにくい方もおられるかも知れませんので、「丹田」について書いてみたいと思います。

一般的に言われる丹田は、下腹部に位置するツボの名前を指します。
武術に限らず、多くの健康法や作法で重要視される場所ですが、どのように捉えるかによって動作の質は大きく変わります。
よく、動作の解説で「下腹部に力を込めて」とか、「腹圧を高めながら」といった表現を見かけます。
言葉通りに、腹筋に力を入れて腹部を固めてしまうと、それ以上は息を吸えなくなります。
実際に行なってみて、呼吸が通りにくくなる方法は、身体にとって不自然な動作だと考えます。

合気観照塾では、丹田を固定された点ではなく、「西江水」という捉え方でその働きを学んでいます。
稽古に参加し始めた頃、身体の力を発揮する上で骨盤の動きがいかに大切かを知り、そこを起点とするように動作を練習していました。
けれども、技を掛けておられる師匠の丹田を初めて触らせて頂いた時、もっと深いところから力が生まれていることに気付きました。
下腹部の奥に球のような存在を感じ、その働きが結果として骨盤など全身の動きに表れているように感じました。
それ以来、自分の身体の内部を意識しながら稽古するようになりました。

骨盤が締まるバランスで息を吐き、締めをキープしたまま息を吸って身体を張ることで、下腹部を充実させます。
そこから、さらに呼吸を吸い上げて、川の水が末端まで行き渡るように、四肢の先まで伝えます。
脱力して息を吐くことで、元の場所へ戻っていき、力は滞ることなく身体を循環します。
収束する中心を持ちながらも、一点に固執せずに、視野を全体に広げることの大切さを学びます。
丹田は、その時の身体のバランスに合わせて広がり、状況に応じて自由に変化できるようにしておくことが重要になります。
丹田の働きによって、自分の中心を保ったまま、相手の力を吸収して返したり、体勢を転じて受け流したり出来ます。
身体の中心に丹田が在り、身体の内側にその通り道が張り巡らされています。
「西江水」が働く身体が出来ていれば、全身のどこを押さえられたとしても、合気を掛けられるということになります。


 

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