呼吸と動作 その2
2019年04月06日 カテゴリー : 合気
呼吸の上昇と共に骨盤の傾きが変わり、中を上がっていく力によって脊柱が伸びて、頭部を浮かせられます。
頭部の高さを保ちながら背中や腰の力を抜くことで、下から支えるのではなく上から吊るし、呼吸の風や内圧の変化で自由に動けるようにします。
軸を伸ばしたまま弛めることで、関節同士を連結させて力を溜めながら、臨界でひるがえる時に鞭のしなやかさを持たせます。
バネを圧縮するほうがピンボールの玉が勢いよく弾き出されるように、身体の持つ張力が高まるほど、解放される力は大きくなります。
仙腸関節の動きと連動して脊柱から肋骨へと力が伝わり、さらに肩甲骨から上肢へと伝達されます。
下から肋骨が締まっていくと腕が上に上がり、肋骨の中を通るとカーブに沿うように腕が伸びます。
一本づつの肋骨の高さや形によって方向性が生まれ、それが肘をコーナーとして向きを変えて手の行き先が導かれます。
体幹の内部のどの経路を通すかによって腕のラインや到達する指も変化し、多彩な動きが実現できます。
合気の技では、脱力しながら相手の呼吸を吸い込むことで息を吸い、自分の呼吸を相手に吹き込むように息を吐いて働き掛けます。
お互いの関係性によって息の入り方が変わり、それに応じて吸い上げられる経路が生まれ、呼吸が続いていきます。
自己都合ではなく、相手に合わせた呼吸が自然に出来るような身体を目標として、稽古に取り組んでいます。