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呼吸の観察

   2022年02月10日 カテゴリー : 合気 

 

合気を学び始めた頃、色々と教えて頂いても、何を基準に稽古すれば良いのか分からない時期がありました。

指導して頂きながら観察を続けている内に、少しづつ違いを感じられるようになっていきました。


呼吸の観察を通して、身体の内と外の違い、全身への広がり、力の通り道など、様々な新しい感覚が生まれます。

身体を前後左右から締めながら息を吸い上げると、中央の圧が高まります。

息を吸うと、蠟燭の炎のように、上端は中央を高く昇っていきます。

息を吐くと、落ちていく水滴のように、真下に向かって降りていきます。

風で揺らいだり、ものに遮られることがあっても、常に中央を求めようとする性質があります。

身体は、建物のように下から積み上げていくバランスだけでなく、上がったり下りたりする双方向の力が働いています。

そうした感覚があるからこそ、姿勢が真っ直ぐかどうかを感じられ、力が抜けている時と重力に逆らっている時の区別が付きます。

呼吸をベースにして、身体にとって良い影響があるか悪い影響があるかを判別することが出来ます。


呼吸を通して身体を観ると、自分の意志でコントロールしているのはごく一部だということが分かります。

呼吸は、意識して行うこともできますが、大半は無意識下で起こっています。

息を吐き切ると、勝手に吸う方向に切り替わって、空気が満ちていきます。

息をいっぱいまで吸うと、何もしなくても呼気と共に緊張も抜けていきます。

そうした働きを体験することが、自力で解決しなければならないという思い込みを見直す切っ掛けになりました。

自分で自分の呼吸を邪魔しなければ、緊張が弛んだり、バランスが整ったりします。

頭で考えて出来ることの小ささを知り、自然の働きの持つ力の大きさに気付きます。

行き先を方向付けしながらも自然の流れに任せるというのは、日頃の心持ちや周りとの関わりにも通じます。

呼吸のアドバイスを通して、楽に生きるためのお手伝いが出来ればと思っています。


 

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