腰痛の原因は…
「腰痛の8割が原因不明」というのは、よく言われる話です。
厚生労働省のホームページで公開されている腰痛の資料から引用すると、
1 腰痛の定義
「腰痛」とは疾患(病気)の名前ではなく、腰部を主とした痛みやはりなどの不快感といった症状の総称です。一般に座骨神経痛(ざこつしんけいつう)を代表とする下肢(脚)の症状を伴う場合も含みます。腰痛は誰もが経験しうる痛みで
す。2 特異的腰痛と非特異的腰痛
医師の診察および画像の検査(X 線や MRI など)で腰痛の原因が特定できるものを特異的腰痛、厳密な原因が特定できないものを非特異的腰痛といいます。ぎっくり腰は、椎間板(ついかんばん)を代表とする腰を構成する組織のケガであり、医療機関では腰椎捻挫(ようついねんざ)又は腰部挫傷(ようぶざしょう)と診断されます。しかしながら、厳密にどの組織のケガかは医師が診察しても X 線検査をしても断定できないため非特異的腰痛と呼ばれます。腰痛の約 85%はこの非特異的腰痛に分類されます。通常、腰痛症と言えば非特異的腰痛のことを指します(図 2-1-2)。
と書かれています。
腰痛に限らず、肩や膝の痛みも、レントゲン上では原因が特定できなかったり、異常が見つかっても原因ではない場合が大半を占めます。
整形外科では、画像診断だけでなく、徒手検査など様々なテスト法が行なわれます。
その結果によって、既存の病名に分類され、それに基づいて施術の方針が決まります。
痛みとの関連が考えられる関節や筋や神経にアプローチして、症状の改善を目指します。
けれども、生じている痛みは結果であり、それを作り出した原因を見直さなければ、また同じことを繰り返すことになります。
根本的な改善を目指すためには、身体全体のバランスを診ていく必要があります。
それは、病名で分類できるほど単純ではなく、人によって千差万別です。
日常で起こる痛みの多くは、日々の生活の中での姿勢や動作によって引き起こされます。
痛めた本当の原因は、本人にしか分からないものなのかも知れませんね。