中心とは その1
2019年06月19日 カテゴリー : 合気
どんな形状のものにも、バランスが取れる中心が一点あります。
ボールのような単純な形だと中心のイメージがしやすいですが、身体のように複雑な構造にも、それは当てはまります。
皮膚や筋や骨や内臓といった様々な組織を、形や重さや固さなど異なる性質を、全部含めたバランスです。
身体は、骨や筋で支えているのではなく、中心の動きに全体が自由に付いていく状態にあって初めて、釣り合いが取れます。
けれども、私達は日々の生活の中で、そうした釣り合いとは無関係な行動を積み重ね、身体をあちこち固めてしまっています。
その結果、身体の中心が、本来の位置からずれてしまいます。
「バランスを整える」ということは、現状の中心を本来の中心に一致させることだと考えます。
バランスの中心とは、体の釣り合いだけを指すのではなく、心の中心、呼吸の中心といった意味合いも含みます。
『センタリング呼吸法』は、前後・左右・上下の振れ幅を中央に寄せていくことで、中心に近付けていきます。
心身の緊張が弛んで自然の流れに逆らわずに導かれていくとき、バランスは中心に納まっていきます。
それは、固定した一点ではなく、心身の移ろいや呼吸の行き来と共に、緊張したり弛緩したり、広がったり集まったり、変化し続けています。