稽古メモ その6
【意念】
丹田の感覚を維持しながら、重みを地中深くに下ろし、軸が空まで伸びるようにイメージする
自分にも相手にも拘らずに、後ろから風が吹き抜けていくように、空間全体に意識を広げて、その中で動く
相手の負荷に合わせて弛めて、行けるラインが現れた瞬間に意志と一致させて離陸する
扇子を開くように広がりを持たせて相手を浮かせ、漏斗状に一点に集約するように落とす
自分の軸をずらさずに弛めて、目線を正面に向けながら、斜め前に居る相手の中心に意識を付けておく
目線による誘導を、視点を止めたまま内部で行ない、相手に付けながらも意識を全方向に広げておく
相手の後方を刺しながら、自分の背側の意識を保ち、広い空間の中での中心を動かす
接点に拘らずに、全体を大きな螺旋で繋げて、相手の指の先端が渦の中心となるように巻き取って崩す
中央で吸い上げて背側の空間まで呼吸の広がりを持たせ、光背でもって相手の背部を動かす
肚から指先までの呼吸の通り道を明確に辿り、イメージとも一致させて、相手の身体にも息を通していく
相手の向こう側まで意識を広げて峰と谷をイメージし、相手の全体に響くように重みを落とす
先に意識が通っていて、いつでも刀を下ろせる状態だからこそ、後出しでも勝つことができ、相手の出方に応じて変えることも出来る
【総合】
図形の点対称や線対称のように、中心を保ったまま転換できるからこそ、身勢が移り変わっても常に刀が相手の中心に向かうことを学んだ
意識での誘導と弛める動きでフェイントを掛けて相手に先に刀を振らせ、後出しで上太刀を取る
寸止めで付けて、相手の上面、中、下面へと浸透させ、中央の落下と一致させて刀を下ろす
一刀を相手の手刀に付け、もう一刀の刃筋を首筋に合わせて、二刀を一致させて振り下ろす
浮かせたところから一側で攻めて崩し、反対側の攻めを重ねてさらに崩し、左右の時間差で中心からずらし続ける
小太刀でも、刀や身勢や意志が一致して相手の中心へ向かうように前進できれば、相手の太刀が逸れて道が開けていく
相手とぶつからないように身体を弛めて立ち上げ、相手の負荷が自分のバランスを整える切っ掛けとなるように技を掛ける
重みや固さに対して余分な力が入ると、その分だけ自分に返ってくるため、必要最小限の力で動けるようにしておく
体位を転換することで起きる体重移動や切り返しを、体内のコンパクトな動きで再現して同様の力を伝える
止まったところからも、呼吸の同調や意念の誘導で、相手の方向性を引き出して崩す
相手と敵対せずに、接点が馴染んでいくように弛め、自然に伸びていく方へ伸ばす
動きにくい場所を直接動かすのではなく、離れた場所からの響きをみて、その間を通すことでバランスを変える
手が抜けない状況から、弛みを取ったまま引きと攻めでバランスを変え続けると、合気の技になる
引きながら攻めるように腕を持って相手が対応できない状況を作り出し、どちらにも動ける状態で反応を窺う
最初から経路を決めず、あくまで相手の反応を訊きながら触れることで、虚が掴めて予測できない技になる
経絡を伸展するように相手の弛みが取れ、身体の自然な流れを辿るからこそ、技を掛けられると調子が良くなることを実感した